それでも、僕はこの道を選んだ。

多様な価値観を認めよう、そして自分の価値観を軸に生きていこう

薬剤師から鍼灸師へ11〜怖いというよりドライで冷徹な対応〜

前回までのブログの続きになります。

・田舎では薬がないという前提に立つ。
・薬がない中で出来る事はないか。
・田舎と都会の薬局の現場は違う。
・都会と同じような医療の必要性ない。
そんな事を考えながらも、
多くの一般の方と話すことで、
・シンプルに人の悩みに答えたい。
・薬剤師は病気に無知である。
・まずは一歩踏み出してみる。
と思うようになりました。

 

前回の記事の続きです。
僕が肛門周囲膿瘍を患った時のことです。

普段の仕事の中で
多くの方々の悩みを聞いていると、
「病院の先生は怖くて話にくいんですよ」
という声をたくさん頂いてました。
いざ
自分がその立場になって病院へ
行く時がこんなに早く来るとは、
思いもよりませんでした。

 

僕は肛門周囲膿瘍の痛みに
耐え切れずに病院へ行きました。
僕の住んでいる都道府県の中では、
そこそこ名の知れた病院へ。
その病院は僕が住んでいた田舎町から、
車で1時間ほどの市街地にありました。

 

その病院は、
”痔”の手術に関しては年間何百件もこなし、
肛門・大腸を専門とする医者が5〜6人も
常駐するような病院です。
専門的な病院でさぞかし素晴らしいんだろうな、
と思っていました。

 

ところが、
受診して、患部を触診して、
カメラみたいのでチェック。
そのたった数秒くらいの問診と

数分くらいの触診の後に

突きつけられた言葉は、
『手術しかありませんね」
「手術自体は大掛かりではありませんが、
 回復までに2週間以上は要するので、
 その間は入院してもらいます。」

「仕事の都合もありますので、

 日程が決まるまでは、

 抗生物質と鎮痛剤で経過観察します。」
ということでした。

 

僕は、担当医師のあまりに冷たい態度に

言葉を失いました。
と同時に、
”患者さんがよく言ってのはこの事か”
って実感できたのもこの時でした。
僕は怖いというより
ドライで残酷な印象を受けました。


医学の専門家の判断なので、
僕はそれを信頼するしかありません。
しかし
不安の残る対応に少し憤りを感じました。

 

この続きは次回の時期にて。

 

***合わせて読んでほしいブログ***
【薬剤師から鍼灸師へ①~田舎での薬剤師~】
【薬剤師から鍼灸師へ②~薬のない町の薬剤師~】
【薬剤師から鍼灸師へ③~お話ししか出来ない専門家~】
【薬剤師から鍼灸師へ④~シンプルに人の悩みに答えたい薬剤師~】
【薬剤師から鍼灸師へ⑤~病気に無知でも悲観することはない薬剤師~】
【薬剤師から鍼灸師へ⑥~気軽に健康について聞けるプレイス~】
【薬剤師から鍼灸師へ⑦~まずは現場に踏み入れてみる事が自分軸作りの第一歩~】
【薬剤師から鍼灸師へ⑧~田舎に恩返ししたい~】
【薬剤師から鍼灸師へ⑨〜人の成長に欠かせないもの〜】
【薬剤師から鍼灸師へ番外編〜たかがお尻の痛み??〜】
【薬剤師から鍼灸師へ10〜病は突然やってくる〜】

 

薬剤師から鍼灸師へ10〜病は突然やってくる〜

前回までのブログの続きになります。

・田舎では薬がないという前提に立つ。
・薬がない中で出来る事はないか。
・田舎と都会の薬局の現場は違う。
・都会と同じような医療の必要性ない。
そんな事を考えながらも、
多くの一般の方と話すことで、
・シンプルに人の悩みに答えたい。
・薬剤師は病気に無知である。
・まずは一歩踏み出してみる。
と思うようになりました。

 

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ここまでは、
僕が学校に行って学ぼうと思ったきっかけ、
について話してきました。
ここからは、
僕がなぜ鍼灸学校に行こうと思ったか、
について話をしたいと思います。

 

学校に入学する約1年半前の事です。
僕は”肛門周囲膿瘍”という病気を患いました。
(↓参考サイトを下に載せました。)
http://daichou.com/abscess.htm
http://www.iiharaiin.com/cpi_fistel0.html
”肛門周囲膿瘍”という病名は、

複雑な名前でわかりにくいですが、
肛門付近に膿が溜まって、

ピンポン球くらいに腫れ上がった腫瘍
をイメージしてください。

 

前回の記事でお話した”痔瘻”。
お尻のトンネルのような穴があく病気。
この病気の前段階の状態が、
この”肛門周囲膿瘍”という病気になります。

 

なので、

”肛門周囲膿瘍”をほったらかししておくと、

”肛門周囲膿瘍”→”痔瘻”→”痔瘻癌”
→リンパ節に全身転移→複雑な癌へ
という経路をたどります。

 

症状は、とにかく痛いです。
ピンポン球くらい大きさになると、
歩く事すらままなりません。
信じられないくらい痛いです。
寝る事も出来ない痛みになります。

倦怠感、発熱もありましたが、

僕には痛いという思い出しかないです。

 

ちょうど仕事を始めて約1〜2年経ち、

それまで全くお役に立てなかったけど、
やっと少しだけ周りの役に立てる時期に

起こった出来事でした。

 

この続きは次回の時期にて。

 

***合わせて読んでほしいブログ***
【薬剤師から鍼灸師へ①~田舎での薬剤師~】
【薬剤師から鍼灸師へ②~薬のない町の薬剤師~】
【薬剤師から鍼灸師へ③~お話ししか出来ない専門家~】
【薬剤師から鍼灸師へ④~シンプルに人の悩みに答えたい薬剤師~】
【薬剤師から鍼灸師へ⑤~病気に無知でも悲観することはない薬剤師~】
【薬剤師から鍼灸師へ⑥~気軽に健康について聞けるプレイス~】
【薬剤師から鍼灸師へ⑦~まずは現場に踏み入れてみる事が自分軸作りの第一歩~】
【薬剤師から鍼灸師へ⑧~田舎に恩返ししたい~】
【薬剤師から鍼灸師へ⑨〜人の成長に欠かせないもの〜】
【薬剤師から鍼灸師へ番外編〜たかがお尻の痛み??〜】

 

薬剤師から鍼灸師へ番外編〜たかがお尻の痛み??〜

前回までの記事の続きになります。
・田舎では薬がないという前提に立つ。
・薬がない中で出来る事はないか。
・田舎と都会の薬局の現場は違う。
・都会と同じような医療の必要性ない。
そんな事を考えながらも、
多くの一般の方と話すことで、
・シンプルに人の悩みに答えたい。
・薬剤師は病気に無知である。
・まずは一歩踏み出してみる。
・いずれ田舎に戻りたい。
と思うようになりました。

 

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今日のお話は病気の話です。
皆さんは”痔瘻”って病ご存知ですか。
文字通り”痔”の一種です。
ウィキペディアにこんな風に書かれています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/痔瘻

 

皆さんは、この”痔瘻”という病気を
もしかしたらそこまで大きな病気
ではないように思っていませんか?
だって
”痔”なんて誰だってあるでしょ?
女性なんて当たり前のように
保持している人もいますよね?
なので、
別に大した病気じゃないでしょ?
って考えますよね。

 

ウィキペディア内にこんな一文があります。
痔瘻から癌(痔瘻癌)が発生することもあり、
なるべく早期の診察・治療が望まれる。”

 

たかがお尻の痛みでしょ?
でもたかが痔だけど、癌になるのです。
ウィキペディアで”痔”を検索してみます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/痔
そうすると、
”癌が発生する”という一文が
記載されている”痔”の種類は
痔瘻”だけなのです。
他の種類の”痔”にはないんです。

 

さて、
肛門周囲で癌になると何がヤバイのか?
それはリンパ菅が近いからヤバイのです。

 

リンパ菅や血管は全身に回っています。
肛門周囲で出来た癌細胞は、
リンパ液の流れに乗って、
全身行き渡ってしまいます。
そのがん細胞は全身どこへ行くかは
わかりませんが、着いた先で
自らの癌細胞を増殖させていきます。
そして、
新しい癌を生み出してしまいます。

 

つまり
”癌の連鎖をの引き金になる”
のが
痔瘻
という病気なんです。

 

という事で今日はここまで。
たかが”痔”です。
でも”痔”の種類によっては
重大な病気になる事ありますよ、
というお話でした。

 

***合わせて読んでほしいブログ***
【薬剤師から鍼灸師へ①~田舎での薬剤師~】
【薬剤師から鍼灸師へ②~薬のない町の薬剤師~】
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【薬剤師から鍼灸師へ⑧~田舎に恩返ししたい~】
【薬剤師から鍼灸師へ⑨〜人の成長に欠かせないもの〜】

 

薬剤師から鍼灸師へ⑨〜人の成長に欠かせないもの〜

それは
”人の厳しさと人の温かさ”の両方なのだ、
と僕は思います。

 

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前回までの記事の続きになります。
・田舎では薬がないという前提に立つ。
・薬がない中で出来る事はないか。
・田舎と都会の薬局の現場は違う。
・都会と同じような医療の必要性ない。
そんな事を考えながらも、
多くの一般の方と話すことで、
・シンプルに人の悩みに答えたい。
・薬剤師は病気に無知である。
・まずは一歩踏み出してみる。
・いずれ田舎に戻りたい。
と思うようになりました。

 

前回の記事にて、
”小さな田舎町で医療を続けてみたい”
という思いは当時から僕は持っていた、
と書きました。
どうしてこういう思いがあったのか?

それは、
 ・田舎町の人に僕は薬剤師としても
  人間的にも社会人としても
  育てていただいたから。
だと僕は思います。
もちろんまだまだ未熟なのは、
十分ご承知なんですが・・・。

 

以前こんな記事を僕は書きました。
僕が社会人として全く責任感がなく、
薬剤師としても未熟だった時の話です。

 

皆さんは薬の包装デザインが、
意外と似ている事をご存知でしょうか。
その包装デザインだけで薬をチェックして、
薬の名前をしっかり確認しないと、
薬の渡し間違えの基になる事が
僕らの仕事では多々ある事なのです。

 

当時僕はその名前の確認を怠っていました。
そのせいで咳止めの薬を間違えて、
全く別の薬を渡してしまいました。
包装デザインが似てた事で、
僕は薬の名前の確認を怠ったのです。

 

その時の上司が、
「お前これを間違ったら人殺しだぞ」
と僕を強く叱りつけてくれました。
自分で間違えていたのはわかっていたけれど、
その言葉にあまりにショックで薬を触る事すら
恐ろしくなった時期がありました。

 

今考えるとその時の上司は
僕をこらしめたい、
僕にミスの重大さ知らしめたい、
僕のミスを責めたい、
僕に全責任を負わせたい、
などと思っていたわけではないのです。
”そういう状況と隣り合わせの仕事”
なんだよ、と伝えたかったのだと思います。

 

間違って患者さんの手に渡った薬は
幸いにも服用はしていなかった事が発覚し、
すぐに患者様に謝罪しに伺いに行けました。
その時、僕は
上司にもあれだけ怒られたんだしな〜
きっと患者さまからもきっと・・・
と間違った自分の事を棚に上げて、
僕は無責任な気持ちでいました。

 

ところが、
患者様のお宅にお伺いしたところ、
「こんな遠くまで本当に申し訳ないね。
わたしももらう時に確認しなくて・・。
本当にごめんなさいね。」
と言っていただいたのです。

 

その言葉を聞いた時、
僕は自分の仕事の無責任さ
を本当に情けなく感じた事を
今でも鮮明に覚えています。

こういう自分を情けなく感じた、
と同時に、
この町の人の心の温かさ
みたいなものを感じました。

 

この話は田舎に限った事

ではないとは思います。
都会で同じ状況があったら、
都会に戻りたいな、
ときっと思ったはずです。

 

いずれにしても、
僕がもっと成長しようと決断するために、
”人の厳しさと人の温かさ”
の両方を田舎の方々にいただきました。
ですので、
今度はもっと成長した自分が
育ててくれた田舎町に、
田舎町の人々に恩返ししたいな、
と思うようになりました。
そのために、
もう一度一から努力しよう、
と思ったのです。

 

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【薬剤師から鍼灸師へ⑧~田舎に恩返ししたい~】

 

薬剤師から鍼灸師へ⑧〜田舎に恩返ししたい〜

前回までの記事の続きになります。

・田舎では薬がないという前提に立つ。
・薬がない中で出来る事はないか。
・田舎と都会の薬局の現場は違う。
・都会と同じような医療の必要性ない。
そんな事を考えながらも、
多くの一般の方と話すことで、
・シンプルに人の悩みに答えたい。
・薬剤師は病気に無知である。
・まずは一歩踏み出してみる。
と思うようになりました。

 

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前回の記事にて、
もう一度一から勉強しないな、
と思うようになりました、
と書きました。

でも、
働きながら学ぶ事もできるんじゃないですか?
仕事の中で得られる事の方が多いんじゃないですか?
という考えもあると思います。

 

確かにその通りだと僕は思います。
薬と病気を関連させていくだけなら、
仕事を続けてた方がよっぽど
学ぶべき事は多かった、と僕は思います。

 

しかし、
薬の流通が良くない場所でも

出来る医療に特化して考えた場合、
病気を知るだけでは足りないと思いました。
なぜなら病気を知るだけでは、
具体的な対処の仕方がわからないからです。
具体的な対処方法なんて大それた事
じゃなくても、
病気と治療に対する不安を与えない、
治療を前向きになってもらう為に自分でできる事、
など自分でも出来るちっぽけな事、
ちっぽけセルフケアみたいな事で、
こういう田舎町でも病気を抱えた人の
不安をぬぐい去りたいなって思いました。

 

実はその根本には
”小さな田舎町で医療を続けてみたい”
という思いは当時から持っていたのです。
だから、
今の仕事と同じ考えではいけないな、
と感じたのです。

 

今の仕事と同じ考えだと、
・いかにして薬の流通を確保するか
・いかに効率良く薬を届けるか
・薬の使い方の正誤性
・いかにして薬を飲み間違えを防ぐか
など・・・
薬の流通の滞りをなくして、
正しく服用できるような考えに
至ってしまいます。

 

でも、
以前の記事に書きましたが、
・田舎では薬がないという前提に立つ。
という考えがないと、
田舎らしい医療にはなりません。
そういう中でできる事を僕は模索したかったのです。
だから、
もう一度基礎から学び直そう
と思いました。

 

 

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