認識の違い②
東洋医学と西洋医学を勉強していく中で僕自身が感じた事、
そして非常にわかりにく点や興味深い点などを
週に1度だけ(曜日は不定です。)解説していくコーナー。
本日はシリーズ第1弾「認識の違い」というお題で、
《西洋薬と漢方薬の使う時の条件が違う理由》
について深く考えていきたいと思います。
【”体のサインが基準”で決定される薬物治療の時代】
漢方医学が考えられた時代について考えて見る。
漢方医学が考え出されたのは100年以上前の話。
なので、
100年以上前の事を想像しながら・・・
100年以上前の人に、今の体温いくつ??
100年以上前の人に、今の血圧いくつ??
100年以上前の人に、レントゲンで影が見つかった??
100年以上前の人に、鼻腔内に膿が溜まっていますか??
こんな質問をしたとしよう。
これに応えられる100年以上前の人っていますかね~?
もしいたら、びっくりですね。
答えられる人は、まず居ないと僕は思うんですよ。
なぜなら、100年以上前は科学技術が発達していないからです。
つまり、
100年以上前は、数値化や画像化が困難な時代だったのです。
なので、
数値や画像による基準って治療方針の判断材料にならなかった、
と言うことになりますよね。
ここが、
先日お話した【”数値化された基準”で決定される薬物治療の時代】
と違いのポイントになります。
では、
100年以上前の人はどのようなことを基準にして、
治療方針や薬の種類や投与量を決めたのでしょうか。
その基準が、”体がサイン”になります。
例えば、
脈が浮いた時に、こんな生薬をこのくらい入れるといいよ。
舌の色が赤くなった時に、こんな生薬をこのくらい入れるといいよ。
舌の苔が剥がれた時に、こんな生薬をこのくらい入れるといいよ。
下腹部が張っている時は、こんな生薬をこのくらい入れるといいよ。
手足が冷えて顔面が熱い時は、、こんな生薬をこのくらい入れるといいよ。
そういった体の微細な変化に応じて
生薬の配合を一つ一つ実験して、
薬の投与量を一つ一つ実験して、
治療方針の基準を決めていったわけです。
結構気の遠くなる作業を昔の人は繰り返し行ってきたことに
僕はすごく感心しております。
100年以上前の薬物治療の診断基準=体の微細な変化。
という事で漢方薬の診断基準の話は本日はここまで。
次回は【生きた人間と向き合うために必要な考えた方】
について考えてみたいに見たいと思います。