薬剤師から鍼灸師へ①~田舎での薬剤師~
薬剤師から鍼灸師を志したのは25歳のとき。
その時何を考えていたのか、
改めて考えなおしてみました。
僕が当時勤務していたのは、
とある田舎町の調剤薬局。
田舎は医薬品の供給が
本当に悪い場所でした。
幸いにも僕にとっては、
そういう場所で貴重な経験をさせてもらい、
考える時間が持てた事は
本当にありがたく感謝しています。
医薬品が供給がどのくらい悪いかというと、
通常問屋の物流センターの市内にある場合は、
30分、遅くても1時間以内に医薬品が供給されます。
しかし、田舎では近くの物流センターまで
1~2時間かかる場所に位置しているのが大半です。
医薬品の配送は1日に1~2回程度。
なので、大至急で発注しても半日とかかかります。
全然大至急じゃないんです(笑)
どんなに在庫管理をしっかりやっていても、
今すぐ使いたい時に医薬品が手に入らないのです。
医薬品を供給をしっかり確保することも
薬剤師の大切なお仕事になります。
しかし、利便性が悪い田舎町には
限界があることを感じさせてくれたのです。
なぜなら、
都会と同じような医薬品の供給を
できるような体制になるには、
そのインフラ整備に膨大な時間とお金が
かかるからです。
そんな中でも田舎なりの方法で
できる限り医薬品の供給の
滞りをなくそうと日々奮闘していました。
そこで疑問に感じた事がありました。
国民皆保険制度では、
どこで医療を受けても、
どんな病院にかかっても、
国でしっかり育てた力を持った医者が、
どんな人でも平等に同じ技術レベルの医療が
受けれらることを保証しています。
その中で、”どんな場所でも・・・”
という部分が、
田舎の町で薬剤師として
育てていただいた僕にとって
疑問でなりませんでした。
田舎町で都会と同じレベルの医療を
提供する事に本当にできるのだろうか。
そして、
都会と同じような医療は本当に必要なのか。
そういう疑問が深まっていきました。