それでも、僕はこの道を選んだ。

多様な価値観を認めよう、そして自分の価値観を軸に生きていこう

【薬剤師から鍼灸師へ⑤〜病気に無知でも悲観することはない薬剤師〜】

前回までのブログの続きになります。
・田舎では薬がないという前提に立つ。
・薬がない中で出来る事はないか。
・田舎と都会の薬局の現場は違う。
・都会と同じような医療の必要性ない。
そんな事を考えながらも、
多くの患者さんと話すことで、
・シンプルに人の悩みに答えたい。
と思うようになった。

 

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前回のブログの記事の中で、
薬剤師は薬のプロなんです、
というお話をしました。
薬剤師さんは病気については知らないの?
と思う方も多いかと思います。
これは僕が鍼灸学校に入ってからわかった事で、
新卒当時はそんな事思っていませんでした。
薬剤師は病気については全くの無知なのです。

 

正確に答えると、
薬剤師が大学で勉強する病気は、
市場に出回っている薬に関する病気
については勉強してきます。

例えば、糖尿病、高血圧、がん・・・など。
でも、
薬が関わらない病気については全くの無知です。
例えば、自己免疫疾患、神経性疾患・・・など。

 

なんでこういう状況なのか?
僕なりの推測ですが、
薬剤師は”医療に必要な科学者”
という位置づけ置かれた職種だから、
だと考えています。

 

ドイツやオランダから西洋医学を学び、
医学に自然科学を導入するようになった時代。
その時代に、増え続ける薬の専門性を高めた人で、

医学の知識がありつつ、なおかつ

科学にすごく詳しい医療スタッフが必要となっていきました。
その時代に薬剤師という職種が生まれ、
その時代に多く学校が増え始めたわけですから、
薬剤師は病気の専門家である以上に
科学者として優れていなくはならなかったのです。

なので、
必然的に大學等で学ぶべき病気の種類は狭められ、
科学の要素が増えてくるのは自然の流れなだ、
と僕は考えています。

 

ただ
病気に無知な薬剤師が悲観的になる必要もないな、
と僕は思います。

 

なぜなら
病気に無知でも、科学者としてはプロなのです。
科学のプロとして医療に関わればいいだけなんです。
科学や薬のプロがいるように
看護のプロの看護師がいて、
手術のスペシャリストの医師がいて、
介護のプロの介護士がいて、
たくさんプロフェッショナルの集まりによって、
医療は支え合っているのだと僕は思います。

 

なので、
病気を知らなからといって何も
悲観することはないのだと思います。
わからない部分をカバーし合って、
支えあえばいいだけなんではないでしょうか。
そういう社会の方が素敵だと僕は思います。

 

***合わせて読んでほしいブログ***

 

【薬剤師から鍼灸師へ①~田舎での薬剤師~】

【薬剤師から鍼灸師へ②~薬のない町の薬剤師~】

【薬剤師から鍼灸師へ③~お話ししか出来ない専門家~】

【薬剤師から鍼灸師へ④~シンプルに人の悩みに答えたい薬剤師~】